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アキレス腱断裂オムレツ行列~ [創作落語]

予期せぬ出来事とはホンマに突然やってくるんですなぁ。
そりゃ「予期せぬ」訳ですから、天気や花粉症みたいな予報ができん訳で、もしこの予期せぬ出来事が「今日のアキレス腱断裂確率は30%。外出は控えめにしてお家で過ごしましょう~」てな具合に予報できれば、わたくしもアキレス腱断裂を避けられたでしょうなぁ。


アキレス腱「ご主人様もついてない人ですなぁ。こないだは眞鍋かをり似の美人の彼女にふられましたなぁ。女にふられるんに限ってはご主人様は天才的な人ですなぁ。隣の家のメス犬にも吠えられてますもんなぁ」
「ほっといてくれ!オレの趣味は女という女にふられることやねん。犬猫は当たり前。アメーバのメスにもふられるんじゃ!」
アキレス腱「いやぁ、アメーバに雄雌があるとは知りませんでしたなぁ。このふられっぷりはリスペクトしますなぁ」
「リスペクトってイチローか!ふられることに関しては打率はイチロー以上やねん」
アキレス腱「『よっ!日本一のふられっぷり!世界一!アハハハハ・・・』と他人事みたいに腹かかえて笑っておりましたんやでぇ」
「腹かかえて笑うって、大体アキレス腱に腹があるのかどうかもわからんのに」
つい10ヵ月ほど前にアキレス腱を断裂したこの男、何故だかアキレス腱と会話をしております。

アキレス腱「他人事みたいにご主人様の不幸を笑てる最中にエスカレーターを一段上がっただけで私が切れるとはホンマについてませんなぁ。ご主人様は不運のデパート、いや、何でも取り揃えている不幸の総合商社みたいな人でんなぁ」
「エスカレーターを一段上がっただけで『バンッ!』って衝撃音がしたもんやからエスカレーターが上に着くまでに『あれれ?エスカレーターが壊れたんか?最近のエスカレーターはもろいなぁ』って何度も後ろ振り返ったやんか。壊れたんはアキレス腱の方やったとはようできた笑い話やったなぁ。『アキレス腱断裂オムレツ行列』ってジョイマンでも思いつかんギャグができるなぁ。ハハハ・・・はぁ・・・トホホ」
アキレス腱「そりゃ、私は『おらおらおら~!アホボケカスッ!』ってキレやすいんでっせ。アキレス腱断裂は私事ですからブチギレで痛いはずでっせ。ブチギレで痛いはずなのにあまりの不運続きのご主人様の面白さの方が痛みに勝って大笑いしましたわ」
「膝が笑うやなくてアキレス腱が笑うやなぁ。バンッって衝撃音からお前と会話できるようになったのも不思議な縁ってなもんやなぁ」
アキレス腱「そうでっせ。それまでにもご主人様には言いたいことがようさんありましたわ。『あーっ!そんなん言うたらアカンアカン!女の子が引くがな。ありゃりゃー。ご主人様はアホやなぁ。そりゃ眞鍋かをり似の美人の彼女にふられるはずや。この人は私がついてなきゃアカン。一生ついて行ってやらなきゃならん』と思うことばかりでしたわ。これからはご主人様がおっしゃるならどこへでも一生ついて行きまっせぇ」
「それはホンマか?」
アキレス腱「はい。たとえ火の中、水の中。一緒に手術台にも上がった仲じゃないですか!麻酔かける時にご主人様は『五円玉をブランブランさせて眠くなれ~って催眠術で麻酔かけて下さい。催眠術で女の子にふられたことも何もかも忘れさせてください』って寒いギャグをドクターに言うてたやないですか!私自身の手術前やったんであまりの寒いギャグでもご主人様によう注意しませんでしたわ」
「お前こそ、手術ん時にいざ手術台に上がる時になってびびって足がすくんでオレにくっついて上がろうとせんかったやないか!看護師さんとドクターに無理やり抱えられて上がったがな。ウソつき!お前もオレに『一生ついて行きます』って言うわりには言いたい放題なだけやなぁ。どの口がそう言うてるねん!」
アキレス腱「まあまあまあ。手術の後はギプスを巻かれてお風呂にも入れへんし、痒くてもご主人様に『痒いから引っ掻いてくれ』と言ったら迷惑かかる思てなるべくおとなしいして、ご主人様に会えなくてホンマに寂しい1ヵ月やったんでっせ」
「お中元代わりにたまに定規を突っ込んでやったけどなぁ」
アキレス腱「三角定規は尖って痛かったですわ」
「そやろそやろ。ながーい50cmの突っ込んだったやんか」
アキレス腱「それはそうと、先日はせっかくの休日、私は家でのんびりして過ごしたかったのに、ご主人様が『石垣島に行くでぇ』って言うもんだから『行ってらっしゃいませ』って手ぇ振ろうと思ったら、悲しいことに私はアキレス腱だけに手ぇがなくて手ぇ振れんかったんで仕方なく石垣島までついて行きましたがな。まさか、わざわざ石垣島まで行ってジョギングするなんてご主人様もアホな人ですなぁ」
「『走る阿呆に見る阿呆。同じアホなら走らな損々』というやないか」
アキレス腱「いえいえ。『アキレス腱 走りすぎたら 切れてもた』とか『アキレス腱 切れても走る 大バカ者』って松尾芭蕉が詠んだ有名な俳句がありますやんか。のんびりすりゃいいのに」
「そうかぁ。そんな句があったんかぁ。松尾さんも健脚やったもんなぁ。で、季語は何やねん?」
アキレス腱「季語はそりゃ『秋レス腱』ですわ」
「走れるっちゅうことはアキレス腱もくっついたってことや。ドクターもうまい具合にくっつけよったなぁ」
アキレス腱「ドクターが手術するんを見てたらちょうちょ結びにしてましたわ」
「え~っ!アカンがな!片方引っ張ったらほどけるやんか。せめて片ちょう結びにしてくれな。ちょうちょ結びってお土産の寿司やないねんから。大丈夫かなぁ・・・」
アキレス腱「片ちょう結びでももう片方引っ張ったらほどけまっせ。でも大丈夫ですわ。ちょうちょ結びでもほどけませんわ。手術は救急でもなく、夜間でもなく、明るい時間帯にしていますから。アキレス腱だけにヒール(昼)でくっつきます」


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飲酒検問 [創作落語]

流行りですかなぁ?飲酒運転。
「お酒を飲んで車の運転をやってはならん」とわかっていても酒を飲んで車を運転する人があまりにも多いですなぁ。老いも若きも男も女も。警察官、公務員、学校の先生・・・と地位も名誉もある人でさえ。
何を隠そう、かくいうわたくしもやっとります。飲んで運転を。毎晩どころか朝からも飲んどります。ただし、お酒じゃなくてお酢。飲酒運転ならぬ、飲酢運転ですなぁ。
体質改善のために大麦のお酢を飲んどるんですわ。
毎朝毎晩、飲んだらどんな体質に変わるかといいますと、女からモテモテになるんですなぁ。ステキな男に。なーんて。
アルコールは体内に入ると、肝臓で酵素の働きによりアセトアルデヒドに、アセトアルデヒドから酢酸に分解され、最終的に水と二酸化炭素に分解されるわけですから、最初から酒を飲まんと酢を飲んで運転したらよろしいかと。健康にもよろしいし、絶対に酒気帯び運転で捕まりませんでぇ。酢気帯び運転になるかもしれませんが。


ピ、ピ、ピ、ピ、ピーッ!
警官「はい、そこの車、止まって、止まって!夜遅くにすみません。今、飲酒検問やってます。あれぇ?運転手さん、お酒の臭いがしますねぇ?ちと、この機械に向かって息を吐いてください」
男「え?お酒なんて飲んでませんよ~っ!」
警官「いやぁ、運転手さん、ウソはあきまへん。お酒を飲んだのなら正直に『飲んだ』と言うてくださいよ」
男「だから、飲んでませんって」
警官「いやいや、窓あけた瞬間からお酒の臭いがプンプンとしてまっせぇ。ウソ言うたらあきません」
男「だから、酒は一滴も飲んでませんがな!酢しか飲んでへんっちゅうのに」
警官「いえいえ、ホンマにウソはあきまへん。どうせ調べたら一発で出ますから、何を何杯飲んだか今のうちに正直に言いなさい」
男「ホンマに飲んでへんって!酢しか飲んでへんっちゅうねん」
警官「ホンマに酢しか飲んでへんのか?」
男「はい。アルカリがええっちゅうもんで、朝から晩まで水のかわりに黒酢に米酢にりんご酢にもろみ酢に麦酢に・・・ミツカン酢に旭ポン酢に、酢という名のつくもんは全部ですなぁ。あとは、あるメーカーのフレッシュミルクも飲んでみたらお酢でしたなぁ。酢ぅじゃった、スジャータ・・・ばんざーい!」
警官「他に飲んでるもんがありますやろ?正直に言うてくださいよ」
男「ビートル酢にチェッカー酢にとんねる酢に○☆◎×□~!」
警官「あらら。ずいぶん飲んだようですなぁ。ろれつが回ってませんがなぁ。あーあ、その上、千鳥足でまっすぐ歩けてへんし」
男「いいや。これは酢で喉をやられただけや。酒なんか飲んでへんっちゅうたら□○☆◎▲がな~!」

この男、ずいぶんご機嫌でへべれけのようですなぁ。
警官「わかりました。検査したらいずれわかることですから。じゃあ、この風船を膨らませてください」
男「あ、いやいや、それだけはご勘弁を・・・。先祖代々の言い伝えで人前で風船だけは膨らましたらアカンと・・・ヒック!」
警官「どんな言い伝えやねん。往生際が悪いですなぁ。観念しなはれ」
男「(む、む、む!絶体絶命。しゃあないなぁ。飲酒運転がバレるなぁ。年貢の納め時やなぁ・・・)は、はい。わ、わかりました。とほほ・・・」
ふーっ!
警官「あれ?」
男「出てますか?」 
警官「おかしいですなぁ。酒の臭いがするのに呼気にはまったくアルコールが出てませんなぁ。もう一回、勢いよくお願いします」
ふーっ!
警官「う~ん。やっぱり出ませんなぁ。もしかして高校時代、数学が得意でしたか?」
男「はぁ?たしかに数学は得意でしたけどなぁ。何で飲酒検問と高校時代の数学が関係あるねん?おまわりさんこそ酔っ払ってるんとちゃいますか?」
警官「なるほど。アルコールが飲酢分解(因数分解)されてました」


この話、決して実話じゃございません。よい子も悪い子も真似しないように。


タグ:飲酒 検問
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ジャムパン [創作落語]

いよいよサッカーワールドカップドイツ大会が近づいてきましたなぁ。
近頃はどいつもこいつも「ドイツ行きたい!」てな事言いよりますが、ジーコが選んだ23人だけは飛行機代がタダでドイツに行けるんやそうでうらやましい限りでございます。
なお、ココから先はフィクションで実在する団体、個人名は何ら関係のないことをご勘弁下さいませ。

ここにおりますサッカー日本代表監督のジイコというプラジル人の男、ワールドカップを控えて相変わらず悩んでおります。
ジイコ「飛行機代タダ組23人の選手を選んだものの、やっぱり決定力不足は否めんなぁ。ワシが教えた通りにちょちょいのちょいと蹴れば点が入るはずやのに、蹴り出す足に力がないのかボールがゴール手前でヘナヘナっと止まりよるがな。あちゃらの選手とパワーがちゃうなぁ。ワシのおったプラジルのヤツらなんか毎食牛1頭くらいはペロリと食いよるから背ぇは高いわ、腕も胴も太ももも太いの何の。まさに『立てば電信柱、座ればダンプ、歩く姿はドラム缶』やがな。馬面のちゅんすけなんか、『あ、僕、今ダイエット中なんでこれだけでいいです』っちゅうて草しか食いよらんし、『僕の好物は太巻きです』ちゅうから『お、こいつはよう飯を食うやっちゃなぁ。代表での力になること間違いなしや』と思ってマキちゃんを選んだけど、太巻は太巻きでも太巻きの薄切りが好物とは、そりゃアカンがな。そんだけ食が細いんじゃ力が出るわけないっちゅうねん!」

ドイツに到着後の練習前、ジイコは選手達の食の細さが得点力不足の原因と考えまして、選手を一堂に集めました。
ジイコ「えー、諸君達の飯の食いようが足りんから力不足で得点も入らんのじゃ!もっとしっかり飯を食うてくれ!ほれほれ、ちゅんすけ!草ばかり食うから馬みたいな顔なったんとちゃうか?」
ちゅんすけ「そうですかねぇ。でも、草だけじゃないですよぉ。ニンジンも食べますよぉ。ひひぃ~ん」
ジイコ「あれあれ、馬面やのうて、とうとうホンマもんの馬になってもたがな。マキ!君も男なら太巻きの2本や3本を一気に食わんかい!」
マキ「いやいや、こうやって太巻きを光に透かしたら向こうが見えるくらい薄くスライスしたんが好きなんですわ。箸ですくうて食うんがうまいんですなぁ」
ジイコ「そんなてっさみたいな食い方があるかいな!こんな具合に君たちの食が細いんで力が出んで決定力に欠けるんじゃ。そこで決定力アップの作戦をワシは考えたんじゃ!」
ちゅんすけ「そんな秘策があったんですか?」
ジイコ「作戦ちゅうても戦術的なことやない。今さら戦術をどうこういうてもしゃあないしなぁ。だた、食うことだけや。簡単な作戦やろ?食うっちゅうても君たちに食うてもらうのはジャムパンや。毎食ジャムパン11個や」
ちゅんすけ「え?ジャムパンをそんなに沢山食べるんですかぁ?別に1個でもいいじゃないですかぁ?」
ジイコ「いや、11個じゃ。11個ジャムパン、じゅういっこジャムパン、じいこじゃぱん、ジイコジャパンじゃ!」
という訳で、選手全員ひたすらジャムパン11個を食べるんですなぁ。朝昼晩毎食ジャムパン11個も食べるもんやから、普通の食事は喉を通らず、ジャムパンだけで腹いっぱいになっていくら練習を重ねてもジャムパン11個の成果は現れません。

ジイコ「う~む。ジャムパン11個で決定力があがると思ったけどアカンかぁ・・・」
ちゅんすけ「監督!もう食えません。頭の先から足の先までジャムで、頭の先から足の先まであんこが詰まったたい焼きの気持ちがようわかります」
ジイコ「作戦変更じゃ!ジャムパンはやめじゃい!シャンパンにするわい!」
ちゅんすけ「え~!今度はシャンパンですか?もしかして、11本ですか?」
ジイコ「おう、そうじゃ。ようわかったなぁ。11本シャンパン、じーいっぽんしゃんぱん・・・ジイコジャパン。今度も毎食11本じゃぁ!」
 
ちゅんすけ「ひえぇぇぇぇ~!それじゃあ、二日酔いでヘロヘロになって練習どころじゃないですよ~。ジャムパンの方がよかったかも・・・」
全員でシャンパン11本を飲んで練習が始まりました。
朝昼晩と11本ずつも飲むもんだからへべれけで千鳥足。それでも本能っちゅうやつでしょうか?一旦、練習が始まりボールを蹴りだすと意外にゴールも決まりだすもんです。
ちゅんすけ「マキ!いくぞ~!パ、パ・・・スだぁ~!○△□◎×~!」
マキ「しゅ~っと!☆■◎△&%#%~?」
ちゅんすけ「ないすす~と(ナイスシュート!)」
マキ「すごいれす!(すごいです!)前よりずっと決定力が上がりました」
ちゅんすけ「そうか!ジャムパンからシャンパンにかわっただけ。点がとれた」


タグ:中村俊輔
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替え玉~創作落語 [創作落語]

トリノオリンピックまであと100日をきったそうですなぁ。「トリノ」って言うからアホウドリとか、ペンギン、イヌワシ、果てはカラスやスズメが出て、かけっこや玉入れなんかをする運動会の事を鳥のオリンピック・・・てな訳おまへんなぁ。トリノって、イタリアにある地名なんやそうですなぁ。それ以外は何の情報も知りませんわ。
ま、外国人が日本について何を知っているかを聞かれた時に「スシ、ハラキリ」と答えるんとおんなじようなもんでしょうなぁ。

オリンピックといえば、男前のわたくしの出番ですねん。
長野とソルトレークの時は清水宏保に似ていると言われ、アテネの時は冨田洋之に似ていると言われ、2年ごとにそそっかしい人からサイン攻めにあう慌ただしいシーズンですねん。だいぶ、サインも上手くかけるようになりましたわ。今、全国に出回っている清水と冨田とイチローのサインのうち何パーセントが本物でしょうかな?


さて、ここにおりますシミズ似の男、なぜかトリノオリンピックのスピードスケートの会場におります。

「はぁ・・・、えらいツアーに当たってしもたなぁ。『当選しました』っちゅうから何の事かと思たら、『トリノにシミズを応援に行く0泊3日の弾丸ツアーに当選おめでとうございます』やて。あんな変なチョコレートを買うんやなかったわ。『ガーナチョコレート焼き鳥味を食べてあなたもトリノへ行こう!』やて。『トリノと焼き鳥』ってあまりにもベタなネタやがな。他に食うヤツおらんかったんやなぁ。まずかったわ。ツアー客、オレ一人だけやんか。あっという間にトリノに来てもたがな。シミズが滑るん見て、あっという間に帰るだけのツアーやて。トイレにも行く時間もないやんか。こないだの四万十川ウルトラマラソンかて、マラソン直後に深夜にバスで帰ったんでもええ加減弾丸ツアーやったけどなぁ・・・。あ、今のうちにトイレ行っとこぅっと。この調子なら、こないだの四万十川ウルトラマラソン弾丸ツアーの帰りのバスみたいに帰りの飛行機の窓からおしっこせなアカン羽目になりそうや」

トイレに行く時間もないほどの弾丸ツアー。
旅費がタダなら文句も言えませんが、この男がこうやってブツブツ独り言を言いながらスピードスケートの会場内でトイレを探しておりますと・・・。
ゴツン!
「いてててて・・・。あ、すんません。あ、イタリア語で『すんません』って何て言うんやろか?」
コーチ「あっ、シミズ君!こんなところにおったんかぁ!」
「トリノって、日本語通じる所なんや。あ、なーんや、日本人やんかぁ・・・。えらい、すんませ・・・」
コーチ「やっと見つかったぁ!朝からずっと探しとったんやでぇ。今日は大事な決勝やというのに、どこに行ってたんや!確かに昨日はえらい緊張して『もう出ぇへん』なんて言うてたからみな心配しとったんやでぇ。『トリノのトリと聞いただけでペットのオカメインコの亀子を思い出したから寂しくなったから日本に帰る!』なーんてホームシックになってもて、ワシは困ったわ。でも、やっぱりリンクまで来てくれたんやなぁ。ワシはシミズ君のことを信じとったでぇ。ほな、コレに着がえて、スケート靴に履きかえて行こか!ほらほら、いつまでもそんなラフなジーンズなんて格好せんと。まるで観光客みたいに見えるでぇ」
「え?シミズって?お、お、オレが?はぁ?シミズとちゃいまっせぇ!」
コーチ「はよ、行こ!」
「あのぉ・・・あ、ヤバイ!おしっこちびりそうや」
コーチ「ええから、ええから。昨日のことやったら謝らんでもええから、ええから。とにかくはよウェアに着がえて!」
「あ、は、はい・・・」
コーチ「ほな、ワシはここで待ってるから、はよ着がえておいで。着がえたらすぐレースやで!」
「どないしよ。この人、オレのことをシミズと間違えてるがな。当のシミズがどこ行ったんかしらんけど、あの勢いに負けてもたなぁ。とりあえずウェアに着がえるしかないかなぁ・・・」

てな訳で、コーチの言うままにウェアに着がえ、更衣室を出ると、コーチが待っております。
コーチ「ほな、行こか。ええか、今日のリンクはなぁ・・・。ん?シミズ君、何か言いたいことあるんか?」
「あのぅ~。ボク、シミズとちゃうんですが・・・」
コーチ「何を言うてるねん!君はずっと前からシミズ君やがな。生まれた時からシミズやんかぁ。おもろいこと言うヤツやなぁ。ギャグにしてはいまいちやけど、緊張のせいでおかしなことを言うてるだけやな?」
「いえ、わたし、ホンマにシミズやないんですわ。ガーナチョコレートの焼き鳥味でかくかくしかじか・・・と0泊3日のツアーの応援の客ですねん。普段からよう『シミズに似ている』と言われるだけなんですわ」
コーチ「えええええ~っ!なんちゅうこっちゃ!それならそうやとはよ言うてくれんと困るがな」
「言いましたがな。困ってるんはこっちですがな。こんなぴちっとしたウェア着せられて」
コーチ「む、む、む。それにしてもシミズによう似ているなぁ・・・。こうなったらしゃあない!シミズ本人は見当たらんし、レースまであと15分や。ま、似てるっちゅうことで、君が出てくれんか?もう、ウェアに着がえてることやし」
「ええええええ~っ!シミズに似ているというだけで、ウェアに着がえているっちゅうだけで?ぼ、ぼ、ボクが?」
コーチ「まあ、ええからリンクに立って、それなりの格好で滑ってくれたらええから。今更難しいこと言うてもしゃあないし」
「あ、はい。何とかします。テレビで見たように手ぇを左右にブランブランさせて滑ったらよろしいな?」
コーチ「そや!何とかなるやろ。任せるわ。滑れても滑れんでも笑顔だけは忘れるなよ。笑ってごまかせば後は何とかなるわ」
かなり強引なコーチですし、この男も無茶苦茶なヤツですなぁ。
普通、断るでしょうに。まるで落語のような話ですなぁ。

実況「さあ、いよいよスピードスケート最後の組、ニッポンのシミズ登場です。満員の会場は割れんばかりの拍手でシミズを迎えます」
解説のクロイワさん「大一番を控えたシミズ君、いつも以上に男前に見えますね」
実況「スタートラインに並び、入念に・・・あれ、あれれれれ?今日のシミズ、リンクに立っているだけでも足元がフラフラして危なっかしいような・・・どうしたのでしょうか?二日酔いでしょうか?大丈夫でしょうか?」
解説のクロイワさん「4年に一度の集大成ですから、さすがのシミズも緊張しているんでしょうね。私の経験上ですが、スターターがピストルを構えた瞬間に落ち着きますよ」

バーン!
実況「スタートしました。おーっと!あれれ?大きくつまずいた!これはピンチです。ニッポンのシミズ、大ピンチ!ロケットスタートならず!」
「しまったぁ!せめてスタートだけでもええ格好しよう思うたけど、えらいこっちゃぁ!えーい、ここは開き直るしかないわい!ホンマ、笑うしかないなぁ・・・(ニコッ)。あはははは・・・」
実況「シミズ、ロケットスタートに完全に失敗しました。・・・ん??その割にはニコニコヘラヘラしております」
「おっ!何かわからんけれど、笑うたら変に緊張が取れてきたでぇ。あれれ?力が抜けてうまく滑れるやんかぁ」
実況「おおおお~っ!シミズ、得意のロケットスタートに失敗しましたが、持ち直してあっという間にスピードにのってきました。このまま行けば世界記録も夢ではありません。しかも笑いながら滑っております」
「何かわからんけれど、スイスイのスイで調子出てきたでぇ。あ、もう、ゴールやんかぁ」
実況「さあ、ラスト100m!これは金メダル間違いなしです。あわよくば世界記録も見えてきました。残り50m・・・残り10m。フィニッシュしました。やりました。シミズ、金メダル!しかも世界記録更新のおまけつきです」
「おーっ!何かしらんけれど金メダルやんか。やったぁ!さすが、コーチの教えどおりに笑って滑ったら何とかなるもんやなぁ。スケートは氷上(表情)のスポーツや」


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沖縄移住~創作落語 [創作落語]

お酒に強い人や弱い人、一滴も飲めない人がいて、どちらかといいますと、わたくしはお酒に弱くて、一人でおったら一滴も飲まんのですが、だからといって嫌いでもないんで皆と一緒にワイワイと話しながら飲んだり食べたりする居酒屋の雰囲気が好きですなぁ。しかし、わたくしが一口お酒を飲めば、とんでもない事を口走ったり、ただでさえ悪い記憶力がますます悪うなったり、時折覚えていることもあったり、ちと飲みすぎて酔えば途中で寝ていたり・・・。後で思い出そうとしても記憶の点が現代のナノテクノロジーでも作り出せないくらいの素粒子くらいに小さくなっていて、その記憶の素粒子と素粒子がつながらず、とにかく皆さんにご迷惑をおかけしておるようですなぁ。
わたくし、酒癖が悪いんでしょうかなぁ?昨年のNAHAマラソンで沖縄に行くまで一度も沖縄に行ったことがないのに誰かと飲みに行く度になぜか「沖縄料理食べに行こ~!」と言うとりますなぁ。飲んで酔っ払う度に「一緒に沖縄行こ!」と女のコを口説かないだけでもましかもしれず・・・、いや、わたくしのことですから、自分で何言うたかなんて覚えていないくらい酒癖が悪いもんですから、もしかしたらそう言うて女の子を口説いてるかもしれませんなぁ。新手のナンパやおまへんでぇ。


女「ラフテーっておいしいわね。ゴーヤチャンプルーも意外においしいのね」
男「ぷっはぁぁ~っ!酔うた酔うたぁ~」

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イチロー~創作落語 [創作落語]

いつどこでわたくしの情報を仕入れたんか知りませんが、ちょっと前まではお仕事中に「株買いませんか?」とか、「クレジットカード作りませんか?」とか、「明太子買いませんか?」てな電話がようけかかってきとりましたなぁ(電話がかかってきたからっちゅうても買いませんが)。ホンマにええ品物で売る気があるんなら電話なんかで商談を済まさんと、自分の足で訪問して売りに来ればええと思いますなぁ。明太子やったら買うかもしれませんでぇ。
最近はそんな電話がまったくかかってきよりませんわ。たぶん、4月1日から施行された個人情報保護法の影響でしょうなぁ。そんな電話をかけてわたくしの個人的な情報をどこから知ったのかを質問された時に、企業側はどこからその情報を手に入れたかを答えなアカンのだそうですなぁ。
しかし、わたくしが正直者であるとか、イチローに似ているとか、女によくふられるとか・・・などなど、わたくしの重要な情報が漏れてるっちゅうのも怖い事ですなぁ。


トゥルルル~!
ガチャ!
男「もしもし」
女「こちらカメムシ証券です。先生のところでは投資なんかをお考えでしょうか?この度、新しく上場する会社の株を優先的に先生のところに・・・」
男「あ、そんなん興味ないから、結構ですわ」
女「いえいえ、そんなことおっしゃらずに。では、我が社の新商品で絶対にもうかる・・・」
男「だから、興味ないっちゅうねん!」
女「それじゃ、この夏に沖縄自転車旅行をされるイチロー似の男前の先生の為に新しい商品のご案内で・・・」
男「えっ!何でそんなこと知ってるねん?どっから『男前』って情報を仕入れてん?(ホンマやけど)」
女「まあまあ、そんなことはどうでもよろしくって。うふっ!万が一、飛行機が墜落した場合に備えての・・・」
男「保険か?」
女「いえ、我が社で扱ってるのは保険じゃなくてパ・ラ・シュー・ト。パラシュートでございます。おーっほっほっほっほっほ・・・」
男「『おーっほっほっほっ』って、『笑ゥせぇるすまん』か?だから、どっからそんな情報知ったんや?大体うちの電話番号もどっから知ったんや?」
女「いえいえ、そんなことはどうでもよろしくって。うふっ!パラシュートの性能ですが、1万フィートの上空からでもボタンひとつ押せば無事に地上に降りられるような設計になってまして・・・」
男「パラシュートはいらん。旅行に持って行くんに荷物になるだけやし。それより実用的な商品はないんかいな?」
女「それでしたら、カメムシが増えるこれからの季節にピッタシのカメムシの臭い避けの鼻センってのがございますが」
男「ただの鼻センちゃうんかいな?」
女「いえ、ただの鼻センじゃございません。カメムシの臭いがする鼻センでして、これならいつカメムシに出会っても大丈夫な一品です」
男「カメムシの臭いの鼻センって、よけ意味ないやんかぁ!どこが『大丈夫な一品』やねん?カメムシ中毒で死ぬんちゃうか?」
女「そういえばそうです・・・ねぇ。えへへっ」
男「おたくの会社にしかないようなもっと世の中の役に立つ商品なんかはないんかいな?」
女「では、女性によくふられるイチロー先生のような人の為に我が社が開発した・・・」
男「眉薬か?」
女「いえいえ、ふられ止めクリームをオススメします」
男「ふむふむ。『ふられ止めクリーム』って何やねん?日焼け止めクリームみたいやなぁ。何かドラえもんの道具みたい・・・って、だから何でそんな情報知ってるねん?」
女「うふふっ!まあまあ、そんなことどうでもいいじゃないですかぁ~。でも、そんな時はこのクリームを全身にペタペタ塗れば効果テキメンですのよ」
男「さよか・・・」
女「わたくし共の資料によりますと、イチロー先生はよく女性にふられてますわねぇ。その数、えーっと・・・、ひぃー、ふぅー、みぃー、よぉー、いつ、むー・・・」
男「・・・数え方は古風ですなぁ」
女「イチローだけに振られるんも鋭い・・・なーんて。あはははは・・・」
男「うまい!座布団一枚・・・ちゃうがな!ほっといてくれっ!」
女「世の中にはふられてばかりの可哀想な人種もあるんですねぇ。ご愁傷様です。いっそのこと天然記念物に指定してもらったらいかがでしょうか?」
男「ええねん!ふられるんが趣味なんや!セールスでそっちから電話かけといて失礼な姉ちゃんや!しかし、何でもよう知っとるなぁ。気持ち悪いくらいや」
女「いえいえ、それほどでもございませんわ。ふむふむ。ふられるんが趣味・・・」
男「こらこら、メモするなっちゅうねん。ふられるんが趣味ちゃうねん。ふられるんが特技なんや」
女「ふられるんが特技に訂正!」
男「だから・・・メモするなっちゅうねん!でも、おたくの会社、証券会社っていうてるのに、いろいろ売ってますなぁ。いやぁ、その商魂のたくましさに感心しますなぁ」

この男、いつの間にやらセールスの女のペースに乗せられとります。
女「このご時世、何でも売っていかないと生き抜いていけませんものね。あら?向こうの方から上司の声が聞こえてきますわ」
電話の向こうで上司の怒鳴り声がしております。
上司「おい!長話しばかりしとらんとしっかりセールスせんかい!」
女「は~い。油売ってま~す!」


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無料混浴露天風呂~創作落語 [創作落語]

日本国内はあちらこちらに温泉がありまして、そのせいでしょうか、日本人は温泉大好き民族ですなぁ。わたくしもそんな日本人の一人でして、いろんな所の温泉に行きましたなぁ。北は北海道の知床の相泊温泉から、南は沖縄の那覇市内の『りっかりっか湯』まで。わたくしは誰が何と言おうとも露天風呂が大好きですなぁ。開放感ともうひとつ別の理由で。男なら誰しもありがちな理由です。真夜中に車でよく行ったもんです。

男「さあ、着いた、着いたっと。真っ暗やから足元に気ぃつけなあかんなぁ。ホンマ、真っ暗で何も見えんわい」
チャポン!
女「きゃっ!」
男「あっ、失礼。こんな所に女の人が入ってるとは思いませんでしたので、あっちへ行きますわ」
女「いえいえ、真っ暗で何も見せませんし、危ないし、お気を使われなくても・・・」
男「いやいや、いくら無料混浴露天風呂とはいえ、それはあきまへんやろ?」
女「いえ、ホントに危ないから・・・」
男「そうですか?ほな、お言葉に甘えて失礼します」
チャポン!
男「(ラッキー!)・・・」
女「・・・、あのぅ、この露天風呂にはよく来られるんですか?」
男「ええ、まあ、ちょくちょく、たまにですが疲れた時に・・・(そんな訳ないやろ?車で片道3時間もかかって疲れに来てるだけや!)」
女「わたしもたまに来るんですのよ」

そんな会話を交わしているうちに雲間から月が現れ、真っ暗だった辺りをほんのりと照らしはじめます。
女「あら、月が出てきましたわ(月明かりでかすかに見えるけど、イチロー似のいいオ・ト・コ!うふっ)」
男「(おぉっ~!矢田亜希子似の美人や!ラッキー!しかも・・・)え?もしかして、真っ裸で入ってるんですか?普通、女の人やったらバスタオル巻いてとか水着着て入るでっしゃろ?」
女「ええ・・・。恥ずかしいですわ(ポッ)」
男「ほな、あっち向いてますわ」
女「いえいえ、お気を使わずに。真っ暗だったから、『真っ裸でもいいかなぁ?』って思って・・・」
男「そら、こちらとしては願ったり叶ったり?」
女「へ?」
男「いやいや、独り言ですわ」
女「お風呂に入るのですから服も下着も全部脱いで裸で入るのが当たり前ですわ。『お風呂に入るならスッポンポン。水着を着るくらいならお風呂に入らない』って思いますの。これを『全か無の法則』って言いますのよ」
男「なかなか、男気ならぬ女気がありますなぁ。『全か無の法則』って・・・、いやぁ、こんな時に使う言葉やったんですなぁ。勉強不足でしたなぁ。すっかり『カッコイイ男を見たらべッカムと思え』の事やと思うてましたわ。『べッカムの法則』って・・・。さっぶー」
女「うふふふっ!イチローさんって、なかなかユーモアのあるお方ですね」
男「そりゃ、温泉ですから、湯moreって・・・。またまたさっぶー!」
女「ハンサムでユーモアがあって素敵!惚れちゃいましたわ」
男「よう言われとります」
女「でも、わたしでさえ真っ裸で入ってるのに、先ほどから見ていましたら、下半身だけタオルで隠して真っ裸では入らないのはどうしてですか?」
男「はい。『べッカムの法則』は男前だけです」


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ペットブーム [創作落語]

最近はペットブームてな事言いまして、犬、猫だけやのうて、イグアナとかカメとか「ワン」とも「ニャン」とも鳴かん動物を飼う人、中にはペット型のロボットも含めていろいろな動物を飼うてますなぁ。人はペットに癒しを求めているんですなぁ。
わたくしも、というか正確に言うと、わたくしの祖父母の家にナナという名の犬がいたんですが、これがえらい賢い犬で、可愛いかったんですわ。わたくし、「犬好き」を自称していますが、余所の家の犬を可愛いとも思わんし好きにもなれませんなぁ。見知らぬ犬に「ワン」と吠えられようもんなら、「蹴っ飛ばしたろか?」と思うくらいでホンマの犬好きやないかもしれませんなぁ。
でも、自分ちの犬となれば別ですなぁ。可愛いし、賢いし。そんなたかが犬っころ一匹が死んでおらんようになっただけでえらい騒ぎでしたわ。半年以上経った今でも寂しいもんです。ペットロス症候群っちゅうやつですなぁ。

わたくし「ナナ、散歩行こか?」
ナナ「うん!ゆう君、散歩行こうよ~」
わたくし「えぇ~~~~~~~っ!え?へ?お前いつから日本語しゃべれるようになったんや?」
ナナ「そりゃ、わたしだって16年も犬業やってたら、見よう見まねでしゃべれるようになるわよ」
わたくし「いきなりしゃべり出すからビックリしたやんか。そんなもんかいなぁ。へぇ~っ!これはこれは今更ながら、はじめまして・・・と言っていいのやら?何やら照れますなぁ」
ナナ「いやいや、こちらこそ。散々言いたいこと言いながら尻尾引っ張ったり、耳引っ張ったり、ヒゲ引っ張ったりしていつもよう面倒みてもらいまして・・・」
わたくし「わぁっ!これからいらん事言えんなぁ。しかし、犬業16年ねぇ。へぇ~」
ナナ「そりゃ酒でも飲まなやっとられん事かてあったもん。そんな事で感心ばかりしとらんと、はよ散歩行こ!」
わたくし「そ、そやな。でもお前、人前では『わたし、日本語しゃべれるねん』なんて自慢するなよ。犬前でも。犬が人間より上手く日本語しゃべったなんて広まったらえらい騒ぎになるし、人間のプライドがボロボロなるからな」
ナナ「わかってるって。わたしもそないにアホちゃうよ。ゆう君にだけよ。じゃ、散歩行こ!」
わたくし「う、うん(こいつの方が大人かもなぁ?そりゃ、犬の16歳っちゅうたら人間の90歳くらいやもんなぁ。俺より大人かもなぁ・・・)」
てな訳で、いつものように一人と一匹の散歩の始まりです。ただ「いつもの散歩」と違うのはお互いに言葉が通じるというだけ。

ワンッ!ワンッ!ワンッ!ワンッ!
わたくし「おーっ、ビックリしたなぁ。あの黒い犬、俺らを見たらいつも吠えるよなぁ」
ナナ「ああ、アイツねぇ。アイツは吠えるだけで喧嘩したら弱いねん。犬の遠吠えっちゅうやつよ。こないだはガブッと噛んだった」
わたくし「お前、言葉だけやなくてことわざもよう知ってるんやなぁ」
ナナ「当たり前よ。『沈黙は金』って言うけど、普段わたしが言葉しゃべらへんのは『もしかして朝ご飯2回食べられるんちゃうか』って思ってるんよ。ゆう君が朝ご飯くれて一度食べといてからおばあちゃんが出してくれたら、『朝ご飯もう食べたよ』なんて言うたら損やんか。『もう1回ご飯食べられてラッキー!』ってもんよ」
わたくし「お前、頭がええというかズル賢いというか・・・」
ナナ「そのくらいの事せんとこのご時世、渡って行けへんよ。そや、ついでに言うけど、あの缶詰めのドッグフードもう飽きたわ。なんぼ安売りやったからちゅうても沢山買い過ぎや。ワンパターンや。犬が倒れてワンパターン」

ワンワンワンワン!ワーン!
わたくし「うるさいヤツやなぁ。今度は白いヤツやでぇ」
ナナ「ああ、アイツはわたしに気ぃあるねん。こないだコクられたけど、ふったった。ハンサムちゃうし」
わたくし「お前、オバアのくせにモテモテやねんなぁ」
ナナ「何言うてるん?こう見えてもわたしにも本命の彼氏いてるねん。まだ若いけど、両思いのカレよ。若いツバメ?いやいや、若い犬・・・」
わたくし「さっぶー。さっきからギャグはいまいちやなぁ」
ナナ「恋愛に歳の差なんて関係ないよ。わたしの事より、ゆう君、こないだもフラれたやろ?」
わたくし「お前にしゃべった事ないのに何で知ってるねん?」
ナナ「女の勘ってのかな?ま、臭いでわかるって。わたし、犬やもん」
わたくし「う~ん、おそるべし・・・。モテるコツ教えてくれ!いや、教えてください!」
ナナ「モテるコツってねぇ、わたしみたいにちょくちょく抜け出して一人、いや一匹で散歩に行っては好きな男と旅行に行くねん。旅行いうても、泊まりがけやったらゆう君や皆が心配するから日帰りの小旅行よ。ついでに『ねぇねぇ、ダイヤ入りのあの首輪が欲しいわ。ウッフ~ン』ってちと猫かぶったら、男もイ・チ・コ・ロ。こないだ、ゆう君、沖縄に旅行に行ったみたいやけど、そのくらいの事はせんとアカンよ」
わたくし「いや、まぁ・・・、それはそれで・・・」
ナナ「ん!沖縄で何かあったな?白状してみぃ!」
わたくし「いやいや、ボクの事より、お前、たまに庭探してもおらんと思ったらそんな事してたんか?」
ナナ「犬の散歩。たまにやない。ようよう(ヨーヨー)やってます」


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男の美学~創作落語 [創作落語]

わたくしの年齢ともなりますと、ふと周りを見渡すと独身の方が少なくなりつつありますなぁ。友達には「結婚はええでぇ」てな事言われますが、結婚願望があるんかないんかようわからんわたくしにはまだピンと来ませんなぁ。そやからちゅうて、まったく話がない訳でもなく、当たり前っちゅうたら当たり前ですが、この歳ですからお見合いも何度もしています。

ここから先はまったくのフィクション。決して実話じゃございません。
仲人「では、私たち年寄りはここらで失礼して、後は若いお二人でお話しして下さい。とてもお似合いのお二人ですわね。オホホ・・・」
てなお決まりの見合い風景です。
男「ボクは旅行が好きですが、ご趣味は?」
女「・・・特に・・・」
男「北は北海道から南は沖縄まで暇さえあったら女探しの旅に・・・いやいや、とにかく旅に出かけるんが好きなんですが、旅行なんかはお好きですか?」
女「・・・別に・・・」
男「じゃ、スポーツなんてお好きですか?ボクは見るんもするんも好きですわ」
女「・・・いえ・・・私、・・・体動かすの・・・苦手・・・」
男「ここでは何ですから、ご飯でも食べながら話をしましょう。食べたい物ありますか?」
女「・・・別に・・・」
男「じゃ、嫌いな食べ物でもありますか?」
女「・・・特に・・・」
男「ではイタリア料理にしましょうか?」
女「・・・」

男「(ボクがしゃべるばかりで、向こうはずっと沈黙ばっかりやし、返事も『別に』と『特に』だけで会話も途切れてばかりで何も話してくれんなぁ。『お似合いの二人ですわね』っちゅうけど、特殊メイクみたいによほど気合いを入れて化粧してきたんかしれんけど、さっきから化粧品の臭いばかりで『お似合い』っちゅうより『お臭い』や。こないに沈黙が続いたら話す事ももう尽きたし、飯食ったらさっさと帰ろっと。沈黙ばかりやからこの『お臭い』の話を進められても困るけど、男が女をふるんも可哀想やし、念のために向こうから『ご縁がなかった』ちゅうて断らせるように仕向けたろ)」
なかなか、この男の断り方にもこの男なりの美学がありますなぁ。男の中の男かもしれませんな。大江千里の「♪カッコわる~いふられか~た・・・」て曲が昔流行りましたが、それとはまったく逆の「カッコええふられかた」ですなぁ。

男「(よし!病弱やと思われたら嫌われて断ってくれるやろ。念のためにアレ持って来ておいてよかったぁ)ここのパスタ美味しいですね。おぇ~っ・・・、あ、ちと失礼!」
女「・・・何か?」
男「いえいえ、胃薬飲まなならんのですわ。時折、みぞおちがきゅきゅっと痛うなりましてなぁ・・・ゴクッ!」
女「(あら!私好みのイチロー似のいい男、意外にも病弱なのね。うふふっ、女心をくすぐられるわ)・・・あのぅ、大丈夫ですか?」
男「(ん?嫌われて断らせるつもりが意外にも顔赤らめて、どういうこっちゃ?胃薬くらいじゃアカンのか?よっしゃ、もう一押し!)あ、ええ、だ、だいじょうぶ。ゴホッ!ゴホッ、ゴホッ・・・持病の・・・ゴホッ・・・」
女「(あら。咳こむ姿がまた色っぽいわ。ウフフ)・・・」
男「すんませんなぁ。体弱いもんで(スポーツ好きで『体弱い』なんて矛盾も甚だしいけれど、えーい、ヤケクソじゃ!)・・・ゴホッ!ゴボッ!」
女「いえ、私、そんな事まったく気にしてませんのよ。それよりホントに大丈夫ですか?」
男「へ?(嫌われようと思たのに、えらい優しい言葉かけてくれてどういうこっちゃ?)こんな病弱な男あきまへんやろ?」
女「いえ、そんな事ございませんのよ。それどころか、ますます私が守って差し上げねばならないと思いましたわ」
男「え~~~~~~っ!(参ったなぁ・・・。『病弱フェチ』っちゅうやつか?これじゃ『お臭い』の話を断ってもらえへんやんか。仕方ない。最後の手段や。アレしかない。アレも持って来ておいてよかったぁ。病弱よりタチ悪いけど、この際手段を選んでる場合とちゃう!)あ、すんません、まだ治療がありますねん。胃やなくて足ですねん。水虫でんねん。靴下脱いで薬塗りますんや。食事中ですが、ちと失礼」
『男の美学』なんてほど遠く、『カッコわる~いふられかた』どころか、こうなりゃみっともないだけですなぁ。
女「きゃぁぁぁぁぁぁ~!」
男「(お、これで間違いなく嫌われたな。作戦成功や!)ホンマにすんませんなぁ。汚のうて」
ペタペタ・・・。
女「あ、あたし、ますます惚れちゃいましたわ。私も水虫なんです。水虫だけに親近(真菌)感が湧きますわ」

決して実話じゃございません。くれぐれもお間違いのないように。


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美人~創作落語 [創作落語]

10年前、原チャリの事故で足首の骨を複雑骨折して緊急手術して2ヶ月入院した時、屋上で日焼けしたり、抜け出して松葉杖ついて遊びに行ったりして、入院生活も楽しいもんでしたなぁ。しかし、なんちゅうても見舞いに来てくれた皆が帰っていく時がせつなくて、寂しくて、「入院、手術はもう懲り懲り」や思いましたわ。
でも、ふと、「もし、主治医が美人の先生やったら入院もええなぁ。ちと痛くても手術もええかぁ、失敗してもええかぁ。う~ん、美人の先生との甘く楽しい入院生活が長うなるだけやからなぁ」て思うのは男だったら当たり前のことでしょうか?


ピーポーピーポー!
救急隊員「大丈夫ですか?どこを怪我しましたか?」
男「いたたたたたたたぁ~!いたいよ~!足首が・・・、わぁっ!足首から骨が見えてるぅ~!えらいこっちゃぁ~!気持ちわるぅ!すんません。まだ昼飯食ってませんので昼飯食ってから、遠くてもかまわんので、できたら大きい病院に運んでください。大きいちゅうても待合室だけが大きいとか、先生の態度が大きいのとちゃいまっせぇ!」
救急隊員「痛みと出血がひどくて長時間の搬送に我慢できないと思うので近くの救急病院に搬送しますね」
男「えーっ!そんなぁ。名前も知らん病院に行くなんて・・・。トホホ・・・。『悪いのは足だけやおまへんなぁ。サービスでついでにやっときましょう』って顔まで整形されへんやろか?」

ピーポーピーポー。
サイレンを鳴らしながら救急車は病院に到着。
救急隊員「男性1名、足首からの出血がひどいですが、意識はほぼ正常のようです。この緊急事態に『昼ご飯を食べたい』とか『顔も整形してくれ』などと多少の意識混濁がみられます」
先生「わかりました。では、これからレントゲンを撮って検査が終了次第、緊急手術です」
男「いたたたたたたたぁ・・・。腹へったぁ・・・。せ、せ、先生。助けて・・・。あ、先生、女の先生や。めっちゃ美人やぁ。矢田亜希子か?さとう珠緒か?いてててて・・・」
先生「(あら、私好みのイチロー似のいいオ・ト・コ!うふふっ)はい、わかりました。検査の結果、複雑骨折していましたので、これから腰椎麻酔で下半身だけ麻酔をかけて手術します。麻酔をかけたら痛みが消えますよ」
そんな訳で、この男、痛みに耐えながら手術台に乗せられました。
先生「じゃ、腰に麻酔の注射をしますのでエビのように体を丸くして下さい。ちくっとしますよ」
ぷすっ。
先生「足をつねっても痛みはありませんね?」
男「はい。痛くないです」
先生「じゃ、これから手術の前に尿道にカテーテルを入れますね。パンツを下ろしますよ」
男「え、え、え、え~!そ、そんなぁ・・・恥ずかしい~!」
ポロッ!
先生「(あらまあ・・・うふっ)はい、カテーテル入れましたので、これから手術が終わって麻酔がきれるまでおしっこは袋の中に出て行きますよ」
男「はぁ・・・はずかしい~」
先生「では、はじめます」
男「あの~、先生・・・」
先生「では、手術をはじめますね。わたし、この手術が初めての手術なので、本を見ながら手術しますねぇ・・・エヘッ」
男「え~!そんなぁ。まぁええかぁ。手術が失敗しても。先生、美人やから」
「先生が美人やから手術失敗してもええわ」って訳わからん理由ですが、男とは美人に弱い生き物ですなぁ。美人は得ですなぁ。
そんな具合にまるで料理本を見ながら料理するかのごとく順調に手術が進んで?います。

先生「(だんだん調子が出てきたわ。しかし、何度見てもこのイチローさん、格好いいわねぇ)えーっと、この骨とこの骨をくっつけて・・・あら?イチローさん、血圧が下がってますね。イチローさん!イチローさん!聞こえますか?わかりますか?血圧を上げる薬を入れますね」
男「・・・あ、はい」
先生「あー、よかったぁ。意識が戻って」
男「先生、今、きれいなお花畑の中を歩いていたら三途の川が目の前に見えて橋を渡りかけるところでしたわ。そしたら、後ろから『イチローさん!』って先生の声が聞こえたから引き返してきましてん。あれが男の人の声やったら間違いなく橋を渡ってましたわ。危ないところを助けていただきましてありがとうござい・・・あ、まだ助けてもろてへんのかぁ」
先生「ホッ、よかったわ。えーっと、じゃ、骨をつないだから、次は靱帯ね。189ページ・・・あら、あれれれ?ボルトでくっつけたはずの骨がはずれてきたわ。(あー、仕方ないわね。ここは接着剤でくっつけちゃぉっと。エヘッ)」
男「あのぉ、先生・・・手術うまくいってます?」
先生「はい?え、ええ・・・うふふ(なんとかごまかせたわ)」
男「治ったら、デートしてくれます?」
先生「え?は?(あれれ、くっつけ方間違えたかな?私、不器用だし。ま、接着剤の量を増やしたらいいかぁ。それよりデートの約束しなきゃね)ええ、わかりましたわ。じゃ、映画でも見に行きませんか?」
男「じゃ、ギプスが取れたら絶対でっせ」
先生「おいしいパスタも食べたいなぁ」
男「先生の好みのタイプの男性って?」
先生「私、イチローさんみたいな人がタイプなの」
男「あ、ありがとうございます。ぼ、ぼ、ボクも先生みたいな美人が大好きです。ところで、先生は旅行は好きですか?」
先生「ええ、よく沖縄に行きますのよ」
男「ええーっ!奇遇ですなぁ。ボクもこないだ行ったばかりですねん。今度ぜひ一緒に行きましょうよ」
先生「そうですね。じゃ、婚前旅行になるわね」
男「は?」
先生「いやだわぁ、あたしったら・・・、あたしの独り言・・・」
男「・・・」
大怪我した割には患者も先生も手術そっちのけで意気投合し、楽しい時間は過ぎていきます。
先生「あらまぁ、お話がはずんでる間に手術は終了ですわ。傷口はハートマークに縫っておきますね。私、お裁縫も下手くそだけど。ウフッ。1ヵ月後にギプスが取れてから歩行開始よ。今夜は二人の出会いにお酒で乾杯ね」
男「いやいや、手術直後にそれだけはあきまへんやろ?」
先生「いえいえ、今夜はト・ク・ベ・ツよ。うふっ」

そして、手術から1ヵ月後。
先生「うーん。レントゲンの結果、骨がくっついてませんね。再手術の必要があります」
男「くっついてないんですか?」
先生「ええ、怪我の程度があまりにも大きかったので(ホントは接着剤でくっつけましたなんて言える訳ないじゃないの)・・・では、今から緊急で行います」
男「え、そないに緊急なんですか?」
先生「ええ、じゃ、今から腰椎麻酔しますね」
男「エビみたいに丸うなるんですなぁ。ちくっとするんですなぁ」
先生「ええ」
男「尿道にカテーテル通すんですなぁ。あー恥ずかしい」
先生「うふっ」
男「ところで、ホンマに治るんでっしゃろか?先生、仕事と思ってへんのとちゃいますか?」
先生「ええ、joyでやってます」


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